ファイファー症候群について
ファイファー症候群は、1型からⅢ型まであり、症状や重症度もまちまちで、治療もお子さんごとの状況を見極めがら進められます。ここでは多くのお子さんに共通する症状や治療を紹介しています。
原因
FGFR2遺伝子(軽症例ではFGFR1遺伝子)の異常が原因です。これらは骨の増殖や分化に関係する遺伝子で、突然変異によって、頭蓋や手足の早期癒合が引き起こされます。
症状
頭や顔の骨が早期に癒合してしまうことにより正常に発育できず、頭蓋骨の奇形(クローバー頭蓋)や、眼球の突出、気道の狭窄などによる呼吸障害などがあります。また、胎児期から大きくなる脳の成長に対応できず、頭蓋骨内の圧力が高まる頭蓋内圧亢進、水頭症、キアリ奇形などの異常が起こります。
ファイファー症候群の特徴としては、幅広く平坦な鼻根や小さな鼻、低い位置にある耳、幅広で外反した親指、肘の癒合などがあります。症状は個人差が大きく、軽度の場合は手術後の予後は良好となっています。重度な場合は、精神・運動発達面での障害が見られます。
診断
出生時に、頭蓋骨や顔の特異的な変形、体の症状などから、多くの場合は診察だけで診断されます。脳の状態を確認するためにMRI検査やCT検査を行います。他の疾患を除外するためや確定診断をするために遺伝子検査を行うこともあります。
胎児期のエコーで判明することもあります。
治療
脳の成長に対応するために、頭蓋骨を拡大する形成手術が必要となります。呼吸障害がある場合には気管切開や後鼻腔を広げる手術、水頭症に対するシャント手術、キアリ奇形に対する手術などがあります。これらの手術は必要に応じて生後すぐから低年齢期に行われます。
また、成長に伴って、中顔面の骨延長術、胃ろう、歯科矯正などの治療を行います。
医療機関
対応する主な診療科は、脳神経外科、形成外科となります。
■このコミュニティのお子さんたちが通院している主な病院(2022.7.現在)
・北海道大学病院
・宮城県立こども病院
・自治医大とちぎ子ども医療センター
・東京都立小児医療センター
・国立成育医療研究センター
・順天堂大学病院
・千葉大学医学部附属病院
・千葉県こども病院
・神奈川県立こども医療センター
・北里大学病院
・慈恵医科大学附属病院
・静岡県立こども病院
・岐阜県総合医療センター
・大阪市立総合医療センター
・大阪府立母子保健総合医療センター
・大阪医科大学附属病院
・奈良県立医科大学附属病院
・兵庫県立こども病院
・岡山大学病院
・聖マリア病院
・福岡市立こども病院
・沖縄県立こども医療センター